つむぎから漏れる、甘い声。

自分がどんどんつむぎに依存していくのがわかる。



やっと唇が解放されたつむぎは……とろんとした目で俺を見上げた。



「そんな目で見てくるのは反則」

「へ……?」



さすがに激しくしすぎたな。

……この前も反省したばかりなのに、つむぎを目の前にすると止められなくなってしまう。



「そんなかわいいことばっかり言ってると、マジで食べるぞ」

「……へ?食べる?」



つむぎは、言葉の意味もよく理解していないだろう。

こんなときこそ、天然を発揮する。



説明するのも恥ずかしすぎるので、俺は車の窓を開け、一旦冷静になることにした。



落ちつけ、落ちつけ、落ちつけ。

俺は教師で、つむぎは生徒。

清いお付き合いをするんだって心に決めただろうが!揺らぐな!



そう自分を鼓舞し……なんとかつむぎを家の前まで送り届けることに成功した。