「中学のときの話で、俺もよく覚えてないんだ」
「……わかってます。その当時の話ですもんね」
「麗華と手つないだって話も、麗華が勝手につないできただけのことで……」
「わかってます。別にヤキモチ妬いてないですから」
そう言いながら、思いっきり口をとがらせるつむぎ。
……なんだこのかわいい生き物は。
わかりやすすぎる。
今すぐ抱きしめて、めちゃくちゃキスしたいんだけど……。
「……つむぎ」
「……なんですか」
100%怒ってるつむぎ。
「つむぎの今の気持ち言ってくれないなら、このまま無理やり俺の家まで連れて帰るよ」
俺にそう言われて、少し嬉しそうなつむぎ。
いやいや、連れて帰られることを喜んでどうするんだよ……。
くそ、素直でかわいいな……。
この短時間で、すっかりつむぎの天然加減のドツボにハマっている俺。



