「つむぎ、あのさ……」
車を走らせながら、俺は重い口を開いた。
「大丈夫です!私、なにも聞いてませんから!」
俺がまだなにも言っていないのに、つむぎは俺の言葉をさえぎるように大きめの声を出した。
そういう時点で、絶対聞いてたよな……?
「どこから聞いてた?」
「……」
なにがなんでも無言を貫こうとするつむぎ。
「つむぎ?このままじゃ、帰せないよ」
俺は一旦つむぎを乗せたコンビニに車を止めた。
つむぎの近所の人に見られないように、奥のほうへ止めた。
さすがに、つむぎも観念したのか……シートベルトをぎゅっと握りしめた。
「……元カノさんとイチャイチャしてたらしい……ってところから、聞こえました」
そこからかー……。
1番聞いてほしくなかった部分であり、最初の方だったため、俺はかなりげんなりした。



