【瀬那 side】



約1年ぶりに中学の同級生に会ったため、つい話が盛り上がってしまった。

俺としたことが……つむぎを放っておいてしまったのだ。



中学のころからやたらと距離が近い麗華も、相変わらずベタベタ触ってくる。

俺のことが好きなのか、ただ自分の近くにいてほしいからなのか……。


もう23歳になるんだし、そろそろ俺に執着するのもやめてほしい。



天然なつむぎもさすがに、麗華のことは気になるらしく……めずらしくすねている。



花火大会のクライマックス。

つむぎの機嫌が良くなってほしい思いと、ただ触れたかったという理由で……つむぎにキスをした。



キスをしたあとに赤らめる顔が、本当にかわいい。

こういう反応をされたことがないから、新鮮だ。



花火大会が終わり、つむぎは海の近くにあるトイレへと行った。

みんな考えることは同じらしく、トイレには行列ができている。

同級生たちが一緒に待ってくれるというので、俺たちは砂浜の上にある階段で待つことにした。