20分の花火大会も、ついにクライマックス。

連続で花火がどんどん打ち上がる。



「キレイだね……」



あまりの迫力に、私は自然とそう言っていた。

瀬那先生も同じ気持ちかな……?


私は、瀬那先生のほうへ顔を向けた。



しかし、瀬那先生は花火を見てると思いきや……私のことを見ていた。



瀬那先生は自分の口に人差し指を当て、シーッとポーズをしたあと、私にキスをしてきた。

触れるだけのキスだった。



瀬那先生の友達が目の前にいるのに……瀬那先生の隣には麗華さんがいるのに……。

見られてたらどうするの……⁉︎



「なんで今……っ」



私は、唇が離れた一瞬で瀬那先生を思いっきり睨んだ。

なのに、瀬那先生は妖しくニヤッと笑って、私に再びキスをしてくる。



「誰も見てないよ」



しまいには、100%ウソだとわかることを言ってきた。