初めてのデートは終始ドキドキしっぱなしで、瀬那先生の俺様度が増していた気がする。



もちろん優しいのは変わらないんだけど、私が困ったり恥ずかしがったりするたびに、瀬那先生が楽しそうにしていた。



「呉羽、浴衣似合うな。今度、花火大会があるみたいだから浴衣着て行こうか」



温泉ではそれ以上は変なことをされずに済んだのが、誘われた花火大会ではどんなことが……?と、考えている自分がいて驚いた。



花火大会でなにかあるわけないじゃない。

花火を見に行くんだから。

呉羽つむぎ、しっかり……!



瀬那先生の色気や誘惑に負けちゃいけない。

自分をしっかりと正し、私は次のデートまでに宿題を終わらせることにした。



次の土日は、私が風邪をひいてしまったため会えなかった。



今までは学校ですれ違ったり、授業がある日は必ず瀬那先生の顔を見ていた。

なので、たった2週間瀬那先生に会えないだけで、ものすごく寂しくなっている自分がいた。