レストランでも温泉でも払ってもらっちゃったから申し訳ない……。
そんなことを思いながら、私と瀬那先生は温泉へ向かった。
いろんな種類の温泉があり、すごくリラックスできた。
女湯のカーテンを開けると……そこには、髪がまだ濡れている瀬那先生が。
3台ほど並んでいるマッサージチェアに座っていた。
いつもと違う瀬那先生に……胸の奥がキューッと締めつけられる。
最初に借りることができた浴衣をお互いに着ているのだが……瀬那先生が抜群に浴衣が似合う。
「さ、行くか」と、手を差し出してきた瀬那先生。
私は子どものように瀬那先生にかけ寄り、その手のひらをギュッと握った。
……しかし、つないでいた手を離されてしまう。
「俺は、こっち派なんだけど」
瀬那先生はそう言って、私の手を握ったと思いきや……私の指に自分の指を絡めてきた。
これは……いわゆる恋人つなぎ。
さらに密着した私と瀬那先生の手。
瀬那先生に引っ張られるように私は歩き出した。



