今日も、私は瀬那先生を誘惑します。


それから、湖デートを満喫した私たち。

すぐ近くのレストランでお昼を食べ、次に移動した先は……私が来たかった温泉だった。



受付に行き、瀬那先生がなにやら受付の人と話している。



「部屋予約してあるから、温泉のあとゆっくりできるよ」

「えっ⁉︎と、泊まりですか……っ⁉︎」

「泊まりじゃなくて休憩する部屋。そりゃあ、俺も泊まりたいよ。でも、さすがに初デートで泊まりは……ね?」

「……っ」

「夕方には帰ろう」



安心したような残念なような複雑な気持ち。

それでも、こうして私のために考えてくれていたんだと思うと嬉しくなる。



まさか、温泉にそんなシステムがあるとは知らなかった。

これが大人の男の人がするデートプラン……。

スマートでかっこよすぎる。



さらに、私が何回もお金を出そうとしても、そのたびに瀬那先生に「女の子に出させるわけないでしょ」と言われて、お財布をカバンの中にしまわれてしまう。