私は、瀬那先生の顔を見ないように立ち上がった。



ドアを勢いよく閉めて、走り出した。

早くこの場から遠いところに行きたい……その一心だった。



廊下を走りながら、頬には冷たい感触が。



涙が止まらない。

ぬぐってもぬぐっても……涙はどんどん溢れ出た。



私にとって、初恋だった。

大事な大事な……初恋だったの。



誰かを好きになると、なにもかも頑張れるようになるんだと……知ることができた。



ヤキモチを妬いたり、この気持ちが叶わないと分かってるからこそ辛くなったり……。

初めての感情だらけで忙しかったけど、それ以上に幸せの方が大きかった。



だけど、それは私個人の感想。



瀬那先生にとっては、迷惑だったよね。

恋愛対象にもならないちんちくりんに迫られたところでなんとも思わなかったよね。