【 瀬那 side 】



満点を取ったらご褒美が欲しいと言ってきた生徒の呉羽つむぎ。



ご褒美って、アイスが食べたいとか、タピオカが飲みたいとか……なにかを買ってほしいんだと思ってた。



「私のことをひとりの女性として見てください」



なんの汚れもない純粋な目で俺のことを見つめる呉羽はそう言った。



呉羽があまりにも真面目な顔をしていて、予想だにしないご褒美だったから、なにも答えることができなかった。



つまり、ただの生徒じゃなくて、恋愛対象として見てほしいってことだよな……。



1人残された教室で、俺はしばらくの間頭を抱えていた。



いや、わかってる。

そもそも絡み始めたのは俺の方なんだよな。