私ばっかりドキドキして、瀬那先生の言葉でこんなにも心がかき乱される。
……瀬那先生も、少しは乱れてくれたらいいのに。
「私がさっきみたいに男の子のことを触ったら、相手が私のことを好きになっちゃうかもしれないって瀬那先生言いましたよね」
「うん」
「……なら、瀬那先生も私のことを好きになりましたか？」
私は先生の目を真っ直ぐ見つめた。
瀬那先生は顔色ひとつ変えず……。
「かわいい生徒なんだから、好きに決まってるだろ」
小さく笑ったあと、いつもの話すトーンでそう言った。
そのまま今の会話はなかったかのように、問題の解き方を説明し始めた瀬那先生。
