「こんな事言うと笑われるかもしれないけど」

尚志は一呼吸して、

「もし、この世で縁がなくて、このまま会えなくなったら」

私は尚志を見つめた。

「来世はもっと早くに会いたいよ」



私は唇を噛み締めた。



うん、って言えない。

言ってしまえば。

歯止めが効かなくなる。



「…ごめん、こんな事言って。忘れて」

そう言って尚志は立ち上がった。



そして歩き始める。