「そういう自分はどうなの?」

逆に質問されて、私は返答に困る。

「…わかんない」

本当に、何が幸せなのかわからない。

広樹といる時はそれなりに楽しい。

でも、それは。

本当に幸せなの?



「だろ〜、わかんないよね」

髪の毛を風になびかせて、尚志は苦笑いをしていた。

「彼女は俺に尽くしてくれるし、好きなんだけど、それは本当に幸せなんだろうかって考える時がある」

「私も!!」

思わず、言ってしまった。

目を丸くした尚志はしばらく私を見つめていたけど。

「俺達って似た者同士かもね」

そう言って手を差し出した。

私もそっと手を差し出してゆっくりと尚志の掌を握った。