「じゃあ、巽って知ってる?」

そう聞かれて記憶の中を捜す。

ああ、確か…

私は顔を上げると。

そこには生き生きと話をする尚志がいた。

私の回答を今か今かと待っている。

「うん、ダンスの上手い子でしょ?
同じクラスだったよ」

「そうなの???」

今まで。

全く話をしなかったのが嘘みたいに。

話をし始めて。

まるでせき止められてたダムの水が放流されるかのような勢いだった。

ホントに驚いてしまう。