「ありがとう」

30分くらいで作業が終わると尚志ははにかんだ笑みを浮かべて頭を下げた。

「いえいえ」

私も笑う。



ふと思ったのは。

彼は無愛想ではなくて。

嫌な奴でもなくて。

人見知りと照れが前面に出てるから。

嫌な奴に見えるんじゃないかと。



…素直じゃないのね。





それからは休憩時間が重なると少しずつ話をするようになった。