わかってるなら


早く頭の上のノート、退かしてほしいのにな。



「わたしは帰りますので」



机の横にかけていたカバンを取ろうとすると、


楸くんの手が、カバンに伸ばしたわたしの手をぎゅっと掴んだ。



「……!」


「……もうちょっと喋ろうよ」



手を掴んだまま、楸くんはわたしの隣の席に腰を下ろす。


……なんで、手掴んだまま?


あ、やばい。


手汗、滲んじゃう…


楸くんに、緊張してるのバレちゃう。