「何かあったら電話して 」


「何かって…そんな怖いこと普通に言わないでよ
それにどうにもできなくなったら救急車くらい呼べるよ」


主治医に直接電話しないといけないときって

つまりどこかで発作起こしたときじゃん………。


それを低く落ちついた声で、まるで日常的に起きるみたいに言うんだもん。


「いや、何かって、体のことももちろんなんだけど
陽菜ちゃんが寂しくなったときお話したり、辛いときとか、相談にのったりしたいから 」


「えっ………? 」


てっきり私が病院に運ばれるのが嫌で救急車
すら呼べない子どもなんて思われたから、

万が一のときのために連絡先をくれたんだと思った。


だから先生の言葉にかなり驚いている


「ま、電話がしにくかったら、Lineして。
とにかく陽菜ちゃんは我慢禁止。それも約束して 」


「…うん 」


優しい言い方なのに、断らせてくれそうにもなく、雰囲気に流されて返事をしてしまった。