「陽菜ちゃん、寒い? 怖い? 」


一瞬のことなのに、翔馬先生は震えたのを見逃さない


私のことをスッと抱き上げながらも、
背中をポンポン擦ってくれた。


「…大丈夫 」


「我慢しないの 」


少しだけ強い口調。

怒っているわけじゃないのに…こんな声翔馬先生の口から聞いたことなくてビクッとしてしまう。


「我慢なんて………してない 」


それでも、自分で死んじゃえばって思って、

そのことが少し怖くなったなんて言える訳ないじゃん。


それに、あのタイミングで翔馬先生がきてくれて

心配してくれたから、やっと目が冷めて

今は自分がなんてバカなことを考えていたかもわかった


迷惑かけたくないからって言い訳をしていたけど

結局は生きることから逃げようとしていただけ。


誰にも愛されない、必要とされないのが

辛くて悲しくて…



だって、翔馬先生が私のことを心配してくれただけで

死にたいなんて気持ちが簡単に消えちゃったんだもん。