「全くそうなんだって………
陽菜ちゃん、ちゃんと食事取ってないだろ? 」


「え?なんでわかるの? 」


「陽菜ちゃんの痩せた体見ればそんなもんすぐ分かる
すぐ作れて簡単に栄養が取れるココア入れてくるな 」


肩を軽くポンっと叩いてキッチンへいってしまった。


そういえば、真緒さんに5日前に会ったときから、食事らしいものは食べてない。


家にたまたまあった、お菓子とかをつまんでいただけ。

それすらも、お母さんたちの目につかないところで、
夜中にこっそり食べてから


まるで充電式の機械が動くための電気を入れているかのように、

最低限生きていくためのエネルギーを胃袋に詰めこんだ。


一人になるとまた悲しい記憶が頭を過ぎって、
胸が苦しくなった。


こんなんじゃ、翔馬先生に辛かったことまともに話せない

気持ちは話したいけど、全部いっぺんに思い出したら喋れなくなってしまうよ。




「戻ったよ 」


「あ、うん………」


数分するとそんな声がして、つい俯いてしまった顔あげた。



優しく目を細めて私に近づいてくる翔馬先生の手にはマグカップが2つ。