「…嘘っ……… 」


翔馬先生にいる場所なんて一言も話してないのに…


…どうしよう


本心は甘えたい。翔馬先生に抱きつきたい。

でも、迷惑かけていることを考えてしまうと、胸が締めつけられるように苦しくなって動けない。


「俺だよ。陽菜ちゃん。こっちおいで 」


驚きのあまり口から出てしまった、私の呟きが聞こえたのか、


翔馬先生は2本の手をトンネルの中に伸ばしてきて私の身体を掴んだ。



「嫌っ。やめてっ…やだっ やだ………」


「ごめんな。俺じゃここに入れないし、陽菜ちゃんの様子もわからなくて心配だから少し濡れるけど我慢して 」


翔馬先生の力に抵抗するもののそれは全く意味がなくて、公園の休憩スペースに連れて行かれてしまった。


抵抗したのは翔馬先生が嫌だったわけではない、


こんな時に優しくされれば、ずっと離れたくないって、

勝手なことを思ってしまうから。


死ぬのがもっと怖くなっちゃうから、

優しくしないでほしいの…