翌日 結愛を幼稚園に 送った足で

お義母様の 病院に行った。


「あら。明日香ちゃん 早いわね。」

「はい。お義母様 今日は 検査だって言っていたから。何か お手伝いできるかと思って。」

「ありがとう。一応 脳や内臓も 調べるらしいの。」

「交通事故って 後から 色々な所が 痛くなるって。よく 実家の父が 言ってたけど。お義母様 他に 痛い所 ありませんか?」

「あちこち 痛いわよ。打撲?きっと 転んだ時 変な姿勢になったのね。着物も 破れちゃったし。ホントに 残念よ。」


お義母様の声は 張りがあって。

顔色も良くて 私は 安心していた。


私が行って まもなく 検査に呼ばれて。


足を固定した お義母様を 車椅子に乗せて。

私は 検査室まで 車椅子を 押して行った。


お昼までに 一通りの 検査が終わって。


お義母様の 昼食を 手伝っていると

果物を持った お姉様が来て。


病室は 一気に 賑やかになった。


「遅いわね。明日香ちゃんが 検査に 連れて行ってくれたのよ?」

「そうなの?看護士さんは やってくれないの?」

「そりゃ 誰もいなければ やってくれるでしょうけど。あなた 案外 冷たいわね。」

「失礼ね。病院の食事 不味いと思って 果物 持ってきたのに。」

「それなら 果物じゃなくて おかずを持ってくるでしょう?」


お義母様とお姉様の 会話を 笑って聞いていると


「ねぇ 明日香ちゃん。結愛ちゃん 連れて来てよ。」

「大丈夫ですか?病院に 子供連れて来ても?」

「結愛ちゃんは 大人しいから 大丈夫よ。ここは 個室だし。」

「結愛も お祖母様のこと 心配してたから。お義母様に 会いたいと思います。」


お姉様が リンゴを剥きながら 私に言う。

「結愛ちゃん 素直で可愛いのよね。明日香ちゃん すごくちゃんと 子育てしているわ。」

「そんなこと ないですよ。もう 夢中で。毎日 手探りです。」

「それは 私も 同じよ。時々 イライラして 子供達 怒鳴っちゃったり。」

「お姉様は 男の子 2人だもの。私には 想像もつかないわ。」


お姉様との会話を リンゴを食べながら 聞いていたお義母様。

「最近 悠樹も 貫禄が出てきて。良い顔付きに なってきたでしょう。明日香ちゃん ちゃんと 経営者の妻の役目を 果たしているわ。」

「えっ?そんなことないです。私 いつも不安で。自信がなくて。悠樹さんに 心配かけてばっかりで…」

「ううん。お父さんが 悠樹に社長を 譲るって言った時 まだ 早いかなって 思ったんだけど。明日香ちゃんが 悠樹を ちゃんと支えているから。悠樹にも 責任感が出てきて。もう安心ね。」


私は お義母様の言葉に 涙汲んでしまった。


「お義母様…」


「明日香ちゃん。色々 大変だったと思うけど。もう 誰が見ても 立派な 経営者の妻に なったから。自信を持ちなさい。どこに出ても 恥ずかしくないわよ。」


お義母様に 認められたことが 嬉しくて。

私は 涙を止められなくなってしまう。


「もう…お母さん。明日香ちゃんを 泣かして。」

「失礼ね。私は 褒めたのよ。明日香ちゃんが 勝手に泣いたんじゃない。」


お義母様とお姉様の 言い合いを聞いて

私は 泣き笑いの 表情になってしまい。


私の 今日までの努力は 間違ってなかった…

もう 大丈夫。お義母様が 認めてくれたから。


これからの私は きっと もっと前向きになれる。