「もしもし。明日香 大変だったんだって?」

夜 8時過ぎ 悠樹から 電話が入る。


「悠樹さん。どうして知っているの?」

「さっき 親父に 仕事の報告したから。親父 明日香に感謝してたよ。俺からも よろしく言ってくれって。」

「感謝だなんて。私 何もしてないのよ。お義母様 怪我も酷くなくて。一安心よ。」

「明日香 俺の仕事 気使って すぐに連絡しなかったんだろ?」

「お義母様が 元気だったから。夜で いいかなって。」

「ありがとう。明日香がいて 助かったよ。」

「ううん。結愛もね。急にお迎え シッターさんを お願いしちゃったんだけど。お祖母様が 事故で ママは 病院に行ったって シッターさんに 聞いて。すごくお利口に 待っていたらしいの。」

「へぇ。俺 本当に 幸せだなぁ。」

「悠樹さん…」

「明日香。帰ったら また どこかに行こうね。」

「そうね。楽しみに待っているわ。悠樹さんの方は どう?順調?」

「バッチリだよ。遠くまで来た甲斐があったよ。」

「フフッ。私も 嬉しいわ。」


そのまま 仕事のことを 少し話して。


「明日香。愛してる…」

「悠樹さん… どうしたの?酔ってる?」

「素面だよ。顔見ると 言えないからさ…」

「ありがとう。私もよ。」

「んっ?」

「愛してます…」


悠樹の声は とても明るくて。

お義母様が 事故にあったっていうのに。