悠樹の 社長就任の準備が 始まったのは

ちょうど 結愛の入園準備を 始める時期で。


慣れない 幼児教室通いと プレッシャーで

私は 押し潰されそうに なっていた。


悠樹は 今まで通り 優しかったけど。

そもそも 家にいる時間が 極端に 減ってしまい。


悠樹自身 大変な時期だったから。

私は できるだけ 悠樹に負担を

かけないように 気を配った。


時々 連絡を取り合っていた 

人気モデルの 友梨さんも

息子の海斗君に 結愛と同じ幼稚園を 

希望してると知り。


それは 私の 大きな救いになった。


友梨さんと一緒に 幼児教室に 通って。

私と友梨さんは 励まし合った。


「明日香ちゃんと一緒で 本当に良かった~。」

時々 友梨さんと お茶を飲んで帰る。


「私も。友梨さんがいて すごく心強いです。」

「教室のママ達って みんな すごいお嬢様ばかりで。私 付いていけないわ。」

「私も。常識のレベルが 違うから。戸惑ってばかりです。」

「でも 明日香ちゃんは ご主人が 経営者だから。私なんて モデルっていうだけで。全然 育ちが違うでしょう。もう 辛くて。」

「えー。友梨さんは 特別なオーラがあるから。大丈夫ですよ。海斗君も すごくお利口だし。私なんて 本当に ただの田舎者だから。キツいですよ?」

「そんなことないよ。明日香ちゃんこそ 他のママに 負けないくらい 上品だよ。誰も 明日香ちゃんのこと 田舎者だなんて 思ってないよ。」

「私 プレッシャーなんですよねぇ。主人も 義姉も 幼稚園から ここに通っていて。もし 結愛が 合格できなかったら 私の遺伝子が 悪いみたいで…」

「結愛ちゃんは 大丈夫だよ。しっかりしているし。しかも パパが卒業生なら 確実じゃない?ウチは 私も主人も 2流の大学で。どっちに似ても 遺伝子は 良くないもの。」

「何とか 一緒に 合格したいですね。海斗君と 結愛と…」

「本当ね。そうすれば これからも 明日香ちゃんと一緒で 心強いのに。」


忙しい悠樹に 言えない愚痴を

友梨さんに 聞いてもらうことで

私は 本当に 救われていた。