預かった荷物を持って 病室に戻ると

お姉様が 来ていて 私は 少し安心した。


「明日香ちゃん。ありがとう。助かったわ。」

お姉様は いつも 私に 優しく接してくれる。

「いいえ。杉野さんが 色々 用意してくれたんですけど。急で 何が必要か よくわからないって。」

「そうよね。大丈夫よ。必要になったら その都度 買い足せば。」

「はい。下の売店でも ちょっとした物は 買えるみたいなんで。」


お姉様と私が 話す様子を 見ながら お義母様は言う。

「明日から 全身を検査するって。今日は もう寝るだけだから。あなた達 帰っていいわよ。お父さんもいるし。」

「そうだね。子供達も 待っているだろう。」

お義母様とお義父様の言葉に

私とお姉様は 見つめ合って 頷く。


「はい。また明日 来ますね。必要な物があれば 言って下さい。持ってきますから。」

私は お義母様を見て 言う。

「明日香ちゃん ありがとう。結愛ちゃんに 謝っておいてね。寂しい思いさせて ごめんねって。」

「お義母様…お大事にしてください。」


病室を出ると 外は 暗くなっていた。


「明日香ちゃん 本当に ありがとうね。」

お姉様と 並んで歩きながら 出口に向かう。


お姉様の子供は 2人とも男の子で 

小学校4年生の潤君と 1年生の憲君。

2人共 結愛と同じ幼稚園から 小学校に進学した。


「いいえ。お姉様 潤君達は 大丈夫ですか?」

「うん。憲だけだと 心配だから。潤が帰ってくるまで 待っていて 来たの。だから 遅くなっちゃって。」

「夕食の準備 忙しいですね?」

「それは 明日香ちゃんも 一緒でしょ?」

「悠樹さん 水曜まで 出張だから。今日は 結愛と2人なんで。手抜きしちゃいます。」

「そうね。うちも 何か デリバリー頼んじゃうわ。」


お義母様が 元気で安心したのか

お姉様の口調は 明るくて。


私達は タクシー乗場で 別れた。