兎の沈黙 うさぎのちんもく


「いや…
かわいいよ、オマエ
ダイエットなんかしなくても
メイクなんかしなくても

笑ってたら、かわいい

でも、たぶん
泣いてても、怒ってても
オレは山野が好きだと思う

もっと見たい
山野が…

ずっと一緒にいたい
山野と…」


ドキ…ドキ…ドキ…


「…」


またその目…


オレ、なんか変なこと言ったかな…

すげー緊張してる、オレ


ドキドキ…ドキドキ…ドキドキ…



「山野…なんか、言ってよ…

オマエがその目でジッと見てると
なんか、心読まれてるみたいで
緊張する…」


「…」


「聞いてる?」


「うん…聞いてるよ…」



暗闇の中

ランタンの灯りで
山野が目を閉じたのが見えた