兎の沈黙 うさぎのちんもく


「山野、ひとつ質問していい?」


「うん」



「オレのどこが好きなの?
別に…」


「いっぱいあるよ!」


「いや、そんな、別に…」



「中学の時
少しだけ学校に行けなかった時期があって
いざ学校に行こうと思っても
みんな私のこと何て思ってるかな…って
考えたら行きにくくて

でも勇気を出して学校に行った日
みんな待ってたよ!って
名波が言ってくれたんだよ
その一言に救われて
毎日学校に行けるようになった

それから
私が描いた絵を褒めてくれた
山野すごいね!って
だから調子に乗って
体育祭のパネル係りなんかやっちゃって…」


うん、覚えてる…


「あの時、
パネル部門1位だったじゃん!」



「覚えててくれたんだ…
フフ…嬉しいな
そんなの
もぉ誰も覚えてないと思ってた」



「覚えてるよ…」


あの時の絵も鮮明に覚えてる



「ありがと
それがすごい自信になって
みんなとも少しずつ馴染めてきて
みんなと仲良くなりたいな…って

いつも周りに友達がいっぱいいる名波見てた
どぉしたら友達できるのかな?って

いつも笑ってて
私みたいな子にも話しかけてくれて
そしたら名波みたいになれるのかな…って

笑うようにしたら
ホントに友達ができてきて…


ずっと名波見てたら
いつの間にか、好きになってた


名波と目が合うとドキドキして苦しくて
でも毎日会いたくて

高校も頑張って勉強して
同じ高校受験したんだよ!
知ってた?」


ドキ…ドキ…


「いや…」



待ってよ…


ドキ…ドキ…ドキ…


「クラス発表で同じクラスってわかった時
嬉しくて…
がんばろ!って

名波に好きになってもらいたくて
かわいくなりたくて
ダイエットして
メイクして
名波の推しのアイドルのマネして
髪もバッサリ切って

緊張するけど
1日1回名波に話しかけよう!って

でも、名波と目が合うと
ドキドキして
緊張して話せなくなるんだよね…

ずっと頑張ってたんだ…私


でも、わかんないな…もぉ…

あと、何をしたら
名波に好きになってもらえるのか…」


ドキ…ドキ…ドキ…


山野、待ってよ…


コレって告白???


オレって告られてる???