兎の沈黙 うさぎのちんもく


「あー、暑い!」


オレはテントから出た


まったく、相手してると暑くなる



「涼しー!別世界…」

仰向けになってクーラーの風を浴びた



山野も猫を抱いてテントから出てきた

「せっかくテント立てたのにな…」


ニャー…


立ち上がった山野を見たら

パンツ、見えそうじゃん

なに?この景色


ニャーニャー…

猫がオレにすり寄ってきた


「幽霊じゃなくて、よかったね…」


「でも、いるかも!」


ニャー…


「いや、いないって!
コイツでしょ」


「コイツじゃなくて、カイト!」


「やめろよ
同じ名前とか…」


ニャーニャー…


「名波になついてるね」


「別に嬉しくないけど」


「カイト、おいで!」


ニャー…