「ここはどこですか?」

杏菜の質問に、リオンはすぐにニコニコしながら答えてくれた。

「ここは杏菜の出身国である日本だよ。日本にある別荘に連れてきちゃった」

あそこにいると邪魔ばかり入るし、そうリオンは言った後に杏菜を抱き締める。杏菜は「リオン様、離してください!」と言うが、リオンは杏菜をさらに強く抱き締める。

「兄さんには負けないから。ねえ、杏奈。こっちにおいで?」

リオンはそう言い、耳にそっと口付ける。ダミアン以外の唇が触れ、杏菜はびくりと体を震わせた。

杏菜はダミアンの次にリオンに攫われてしまったのだ。