昼休みに、俺はついに告白をした。
長年の気持ちを打ち明けた結果、俺の青春の1ページに見事に刻み込まれたのは、間違いないようだった。

(、、そんなに俺、かっこよかった?)

(、、うん。ドキドキしちゃったかも。)

その証拠に、頭の中は告白したときの記憶でいっぱいだった。

目の前で、顔を真っ赤に染めながらも俺の顔をじっと見つめていた、大好きな彼女。

あれが見れただけでも、俺は幸せ者だ。

そう思う反面、俺以外の誰にもあんな表情は見せたくないし、渡したくないといった、軽い独占欲のような気持ちも芽生えていた。

(あーー。振られんのかなぁ。俺。)

放課後が近づくにつれて、なんとなく不安な気持ちになっていく。

ひょっとしたら、傷つけるのが嫌で、その場で振ることを躊躇ってしまったのかも。

いやでも、あれは明らかに、異性として意識されていたような気もした。

結局、いくら考えても本人の気持ちは本人にしかわからないのだと理解したところで、放課後のチャイムが鳴り響いた。

学生なら誰もが聞き慣れているはずなのに、
不思議と胸が高鳴る。

今日が特別な1日になればいいのに。
忘れられない夏が始まればいいのに。

そんな風に、淡い期待を胸に抱いて、彼女の教室へと足を運んだ。