今日はずっと不運だったし、災難に見舞われ続けていたから厄日なのかもしれない。

ひょっとしたらまだ何か小さな落とし穴が待ち受けていて、それにまんまと引っかかるのかも。

なんて想像しながら、帰り支度を手早く済ませて、待ち合わせ場所の駐輪場に向かう。

ちょっとだけブルーだった気分も、歩いているうちに自然とテンションが上がってしまう。

早く葉月くんに会いたくて気持ちがそわそわしてくるし、落ち着かない。

ちょっと緊張してきたけど、なるべく顔には出さないようにしよう。

出来れば葉月くんの前では愛想よくニコニコと笑顔で振る舞いたいから。

きっと、葉月くんに可愛いって褒められたいからなんだけど、そんな気持ちを認めるのは少しだけ照れ臭かった。

駐輪場に辿り着いたとき、ふと遠くの方から雷の音が聞こえた気がした。

こんな日に限って、夕立が降るなんて。

聞こえなかった振りをしながら、葉月くんを一人で待った。