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「あっ!あった!ありましたよ!」
「はいはい。よかったな」
「すっごい色んな種類あるんですね、ラムネにも」
桃色のラムネに紫のものや新緑色のもの。
屋台を回り始めてから幾分か時間が過ぎたけれど、最初から変わらず探していたのはそう、これ。
ジュースの屋台でもラムネは人気なようで売り切ればかりだったから、見つけたラムネ達は益々光って見えた。
「わあ、何味にしよう…。桜井くんはどれがいいですか?」
食べた物ぜんぶに共通させてきたこと。
桜井くんと半分こ。
絶対にわたしの方が食べてる量は多いから半分こじゃない気もするけれど。
「……これは」
桜井くんが指したのはピンク色の桃味のラムネ。
その答えにわたしは少し笑って。
「へへ、わたしもそれがいいなって思ってました」

