銀色ハウスメイト




でも、そんなことで諦めるわたしじゃないですよ。





「何言ってるんですか、桜井くん」


「は、」


「今からでも行くんですよ!」





立ち上がったわたしはしゃがみ込んだままの桜井くんに言い放った。


おそらく今のわたしたちの表情は真逆だろう。


わたしはそのままお財布とスマホを小さなバックに入れて、________





________それと、薄手のカーディガンを羽織った。




「はやくしないと置いていきますよ!」


「おい!待て、ふざけんな」





祭り会場までは少し歩く。


ため息をつきながらも追いかけてきてくれた桜井くんに向けて心の中で。




“一度は折れたんだから、ちゃんと付き合ってくださいね、桜井くん。”