「三浦さん、ちゃんと聞いてますか?」 「もー!みーうーらーちゃん!」 隣の穂乃ちゃんには顔を顰めながら覗き込まれ、前に座る広瀬さんにはテーブルを挟んで肩を掴まれる。 ……ああ、一気に現実へと引き戻される感覚。 例えるなら、すごく幸せな夢から目覚ましのアラームに起こされるような。 こんなことになったのは桜井くんのせいだ。 事の発端は5日前だった。