「あの、考えたんですけど、」
「なに?」
「わたしもちゃんと、桜井くんに必要とされるようになります。」
隣を歩く桜井くんの目を見据えると、瞳孔がほんの少しだけ小さくなる。
今日のことで分かった。
このままじゃだめだよね。
だって、“ 桜井くんが隣にいること ” 。
どんどん当たり前になってきてるから。
「 …… ふーん。あ、そ」
「えっ、それだけですか?良いこと言ったのに……」
「 … お前さ、そうゆうとこあるよな」
そうゆうところってなんだろ?
首を傾げるわたしに、少し前を行く桜井くんは呆れたように笑ってくる。
「____ねぇ、桜井く、」
「楽しみにしてるわ」

