銀色ハウスメイト



.
.
.



そのあとホールに戻ると、2番テーブルのふたりはいなかった。


広瀬さんによると、わたしがその場を去ってすぐにお店を出たらしい。



もう一度、謝ろうと思ってたのにな。







「すみません、広瀬さん。ありがとうございまし … 」


「だから、もうその話はいいんだって!それよりさっきの男なに?彼氏?」


「っいや、全然違いますから!」


「ええ〜? …… てか、その彼はもう帰ったの?」







桜井くんはそのあと、席についてバイトが終わる10時まで待っていてくれることになった。


それを伝えると広瀬さんはますますわたしにからかいの目を向けてきて。





「ほらぁ!彼氏じゃないとか苦しいって」


「 … 違いますって!仕事中ですよ」





この手の話をする広瀬さんはいつもの3倍は生き生きしてた。


好きだよなあ、こうゆう話。





…… バイトが終わるまで。

あと1時間。