銀色ハウスメイト




でも_______、わたしの瞳から涙が零れなかったのは肩に乗せられた手があたたかかったから。


顔を見なくても分かる。



桜井くんだ。




「うちの店員がすみません。どうかしましたか?」



広瀬さんが、テーブルの2人に話しかけながらこっそり背中をポンポン、と撫でてくれた。

  
せっかく引っ込んだ涙は、このくらいのことでまた溢れそうになる。


でも、溢れかけた涙はまた引っ込む。

理由は、やっぱり桜井くんで。




「俺がこいつの手殴った」


「え?」

「は?」

「え、」




わたしが叩いたはずの彼を指で指しながら、こんなこというから。