「ほらっ、そうと決まればスーパー行きましょう!」
効果のないパンチは潔く諦めて、ここから徒歩5分というスーパーへ
…… 行こうとしたのだけれど。
「え、」
「おい」
目の前にあったらしい段差に盛大につまづいてしまった。
桜井くんが手を引いてくれなかったらぜったい顔面だと思う。
「あぶね。」
「 … ひ。き、づかなかった … 」
「お前、またこける気かよ。」
「え?」
また?またって …
頭に流れ込んでくる昨日の記憶。
そうだ、わたし桜井くんの前でド派手に転んだ …
「そ、そのことは忘れてください。」
「努力はするわ」
「桜井くん!」
煽ってくる桜井くんに怒り顔を作ってからキッと睨もう …… としたけど。
「ふ、ははっ」
笑った。
無防備すぎる彼の笑顔。
…… そんな風に笑うなんて。
昨日の微笑みとは違う。
怒りなんかどこかへ飛んでいった。

