「桜井くん」
「なに」
「今度バイト先を紹介してほしいんです」
「 … お前、バイトすんの?」
「住まわせてもらうんだし、わたしもお金払いますよ」
「いや、いい。あの家父親の建物で家賃とかないから。」
「えっ」
驚いて桜井くんを見ると、バチッと目が合った。
桜井くんのお父さんの建物なんだ。
すごい … 。
「でも … 食費とかは桜井くんでしょう?」
「生活費も父親。俺バイトしてないし。」
「なら … それなら尚更です。わたしも桜井くんのお父さんのお金で暮らすことになるじゃないですか。」
「別にいいだろ。あっちは俺だけに払ってると思ってんだし。」
「っ、だめです!!」
勢い余って桜井くんの前に飛び出した。
わたしの行動にぎょっとする桜井くんだけど、その二重で綺麗な目をグッと見つめた。
そんなことわたしがしたら、桜井くんのお父さんに対して失礼すぎるもん。

