昨日の熱は起きるとすっかり下がっていた。
と言っても、0時過ぎまでは寝込んでいたのだから病み上がりには違いないのだけれど。
でも、桜井くんの家に住まわせてもらうことを決めたのに、荷物をなにを持っていないことは気がかりだった。
通学バックの中に財布が入っていたから、今回の買い物は自分でできたけれど、必要なものをほとんど買い揃えたのだから、もうあまりお金も残ってない。
はやく働かないと。
桜井くんにバイト紹介してもらわないと。
…… うん。バイト大事。
でも、今は目の前の彼が心配。
袋が重すぎるからか。
「……やっぱり半分持ちましょうか?」
「いいっつってんだろ。」
見てるこっちが手が取れちゃわないか心配になってくる。
でも、どうしても袋は譲らないっぽいのでせめてもとわたしは桜井くんの横に並んだ。