「あー……絞ってくる。」 「今度はしっかり。」 「うるせえ。」 落ちたタオルを拾い上げ、2回目の洗面所へと向かう背中にフッ、と笑みが溢れた。 桜井くんはきっと、わたしが望まない所までしか入ってこない。 深入りしないんだ。 わたしが知ってる人間とは違う。 未知。不可思議。発見。 けれど、初めてされた触れられ方はいままででいちばん心地がよかった。