ここはもう、わたしだけ先に帰ろう。 「あ、の、お誘いしてもらって申し訳ないんですけど、わたしもう帰りますね…!」 盛り上がった雰囲気の中に、水を差すようで臆病になったけれど、全然大丈夫だった。 むしろ気にかけてくれる人もいて、たぶん優しい人たちなんだ。 「え、彼女帰るの?」 「じゃあねー!次からは覚えといてな、俺の顔」 「はい!すみません!」 見つめている桜井くんに気づいて、小さく手を振った。 そして、足を進めた。 ──────正確には、そうするはずだった。