銀色ハウスメイト




あっという間もなく消えたクレープ。


行方は目の前の人の中。




「あぁ!最後のひとくちだったのに!」


「…うわ、やっぱ甘い」


「苦手なのになんで食べちゃうんですか!」




その上、桜井くんの腕をパシパシ叩けば軽くかわされる始末。


本気で殴ってないんだから当たってくれてもいいじゃないか。




「悪いな」


「心がこもってない」




空になった包み紙を見つめながらもうひとつ買おうかと本気で悩んだ。


さっきまでわたしを苦しめた悪魔はどこへ。




「もー!桜井く────…」








────「望?……やっぱ望じゃん!」




…?


遮られた言葉はそのままに、2人揃って顔を声が聞こえた方向へ。


手を振りながら近づいてくるのは、5人ほどの男女。




「おー…」




桜井くんはその手に自分の手を振り返して答えている。



……桜井くんの友達?