「きゃあああああっ⁉︎」
「なっ、なんだ、よ……」
「たすけてったすけてたすけてたすけてたすけてたすすすじぇつえけっじゅびぶぎ」
「真智⁉︎ なんで、なんで真智が⁉︎」
後半はほとんど言葉にもなっていなかったけれど、たしかに棚の中にいるのは真智だった。
でもおかしい、この棚の横幅はわたしが手を目一杯伸ばせば縁をつかめるし、下段は引き出しだ。
一段はA4のファイルが入るくらいの高さなのに、ガラスの向こうの真智はどう見てもわたしと同じくらいの目線の高さにいる。
「おかしいなあ、鎮静剤の量がちょっと足りなかったかな?」



