人魚の標本



「先生ー? 恵比寿先生?」

「いないみたい、職員室かもね」


 海斗とふたりで理科室に来たけれど先生はいなかった。いつもこの時間なら理科室にいるもんだと思ってたけど。

 準備室に通じるドアに手をかけてみるとすんなり空いた。鍵はかかってないみたいだ。


「とにかく、もう一回見てみよう」

「大丈夫かなあ」


 そっと「標本」の棚に近づいてガラスを覗き込む。

 やっぱりなんだかここだけ少し暗いような……















   ばんっ!

   ばんばんばんばんばんっ!!!!!