水魚の交わり すいぎょのまじわり

「ごめん…
…ごめん…ひなた…」


陽翔が抱きしめてくれた

陽翔から触れてくれた

陽翔の匂い

目の前に陽翔の首のアザが見えた


「ひなた…
別れたくない…
ホントは、オレ、別れたくない」

耳元で陽翔の声が聞こえた


ドキ…ドキ…


「オレ…ひなたが必要…

ずっと触れたくて
今日も触れたくて
辛かった

ひなたがかわいくて
愛しくて
目の前にいるのに
触れたら、また、何か起こるかなって…
気持ち悪いかなって…
ずっと我慢してた

ひなたもずっと辛かったでしょ
…ごめん…」


バスが来た音がした

涙が止まらなかった


「ごめん、泣かせて…

好きだよ
ひなたが、好きなんだ

まだ、間に合う?
別れたくない…」


私を抱きしめてる陽翔の腕は優しかった

私も陽翔をギュっと掴んだ


「うん…間に合うよ…」


ーーー


陽翔の唇が私の頬に優しく触れた


ずっと待ってた