水魚の交わり すいぎょのまじわり

「観月さん!」

後ろから声がして
振り返る前に水瀬さんだってわかった


「よかった
違ったらどーしよ…って思ったけど
水色の傘だったから…」


傘に付けてた魚のストラップが揺れた

私の気持ちも揺れてる



「なんか…疲れた?今日
おつかれ…」

水瀬さんが私の様子を見て言った


「あの人と一緒に帰らなくていんですか?」


「あの人…?」


「さっき、一緒にいた…」


「あぁ…
元カノだから…」


「元カノ…?」


「うん
もぉ別れたのに一緒に帰るの変じゃない?」


変、なのかな?

それで
私と帰るのも変じゃない?


帰り道、こっちじゃないのに
いつもバス停まで来てくれる


そんなに私って助け求めてるかな?