3階の階段を駆け上がる時

追い越した人



見覚えのある後ろ姿で振り返った

彼だった


「久しぶり…」


「あの!えっと…」


話したいことがいっぱいあった

幽霊じゃなかった



「なんか、元気そうだね
よかった」


「図書室…?」


「うん、観月さんも来る?
あ、でも…」

なんで、私の名前…

「部活?」


あ、ジャージを見たからかな


「うん…部活…
部活、入ったの…
えっと、それから…」


彼が少し笑った


「観月さん、忙しそうだから
帰り、玄関で待ってる
一緒に帰ろうよ、バス停まで」


「うん」