それをなんで、一穂が知ってる?
まさか……。
僕のスマホを盗み見た彼女が、演じてるとか?
いや、でも待てよ。僕はいつもスマホを手放さないし、仮に何かの折に一穂が観る機会を得たとして、僕はアプリの起動にパスワードをかけている。しかもそのパスワードは『yuzuki』だ。そんなの誰も知るはずがない。
さらにさらに百歩譲って、もしも一穂がパスワードを知って僕の小説を読んだとしても、だ。マジキモイと青ざめてドン引きするのならともかく、僕の理想に沿って演じる意味や意義やメリットはあるだろうか?
皆無――。
かつて彼女の抹消したい過去――黒歴史を作った張本人である僕を、彼女がフォローする理由? そんなの、誰かにとんでもない弱みを握られない限り、断じてない。
ひょっとして、いましゃべった一穂もまた、僕の妄想だったら……?
そうだとしたら、もう何が何だかわからない。
混乱しまくる頭で演劇部の稽古場に向かう勇気などなかった。
まさか……。
僕のスマホを盗み見た彼女が、演じてるとか?
いや、でも待てよ。僕はいつもスマホを手放さないし、仮に何かの折に一穂が観る機会を得たとして、僕はアプリの起動にパスワードをかけている。しかもそのパスワードは『yuzuki』だ。そんなの誰も知るはずがない。
さらにさらに百歩譲って、もしも一穂がパスワードを知って僕の小説を読んだとしても、だ。マジキモイと青ざめてドン引きするのならともかく、僕の理想に沿って演じる意味や意義やメリットはあるだろうか?
皆無――。
かつて彼女の抹消したい過去――黒歴史を作った張本人である僕を、彼女がフォローする理由? そんなの、誰かにとんでもない弱みを握られない限り、断じてない。
ひょっとして、いましゃべった一穂もまた、僕の妄想だったら……?
そうだとしたら、もう何が何だかわからない。
混乱しまくる頭で演劇部の稽古場に向かう勇気などなかった。
