彼女はほっとした表情で人差し指を立てた。屋上を指しているのだろう。
「う、うん」
僕がさっき見たゆずき……。妄想じゃなくて、ほんとにいるのなら、まだ上だ。
「一年生たちとしゃべってるのかな。わたし、ゆずき連れてくるから、コウは先に戻ってて」
一穂が僕に小さく手を振って、階段を駆け上がっていった。
…………。
いったい、どういうことだ?
僕だけがゆずきを見てるなら妄想で話は済む。(いや、済んでないかもだけど)少なくとも他者に影響はないはずだ。
でも、一穂が絡んでくるとなると話は別だ。
理解不能――。
ゆずきは僕の頭の中とスマホの小説エディタでしか存在しないはずなのに。
「う、うん」
僕がさっき見たゆずき……。妄想じゃなくて、ほんとにいるのなら、まだ上だ。
「一年生たちとしゃべってるのかな。わたし、ゆずき連れてくるから、コウは先に戻ってて」
一穂が僕に小さく手を振って、階段を駆け上がっていった。
…………。
いったい、どういうことだ?
僕だけがゆずきを見てるなら妄想で話は済む。(いや、済んでないかもだけど)少なくとも他者に影響はないはずだ。
でも、一穂が絡んでくるとなると話は別だ。
理解不能――。
ゆずきは僕の頭の中とスマホの小説エディタでしか存在しないはずなのに。
