ゆずきのことを想いすぎて幻影まで見るようになったのか。
演劇部次回公演脚本の審査で後輩に敗れたストレスがこういう形で顕在化したんだったら情けない。
「あれ、どうしたの、そんなとこ座って」
そのとき背後から声が掛かった。
聞き覚えのある声に振り返ると――
一穂だった。
彼女は肩まであった髪を後ろで小さくひとつに束ね、上下とも白を基調としたスウェットに身を包んでいた。フードと胸元に入ったワンポイントのロゴがしゃれている。
「あ、あの……」
どんな言葉を口にしていいかわからない。
一穂の目力に圧倒されたから、というのもあるけれど、彼女と一対一のシチュエーションで向かい合うこと自体が久しぶりだった。
演劇部次回公演脚本の審査で後輩に敗れたストレスがこういう形で顕在化したんだったら情けない。
「あれ、どうしたの、そんなとこ座って」
そのとき背後から声が掛かった。
聞き覚えのある声に振り返ると――
一穂だった。
彼女は肩まであった髪を後ろで小さくひとつに束ね、上下とも白を基調としたスウェットに身を包んでいた。フードと胸元に入ったワンポイントのロゴがしゃれている。
「あ、あの……」
どんな言葉を口にしていいかわからない。
一穂の目力に圧倒されたから、というのもあるけれど、彼女と一対一のシチュエーションで向かい合うこと自体が久しぶりだった。
